ネットショップの始め方2:ECサイトのコンセプト、ECカートサービス比較選定

ネットショップの始め方2【サービス・ツール選択編】

ネットショップの始め方1【心構え編】では、ネットショップを始める前に知っておきたい情報や誤解のポイントなどを解説しましたが、それでは実際にネットショップを始めるとして、どう進めればよいか?ということについて、このページで読み解いていきます。

目次

販売商品・ショップのコンセプト検討

ネットショップの要は【商品】

ネットショップを始めたい動機の一つとして、自分が生み出したオリジナル商品を世に広く知ってもらいたい、というものがあります。

自らの独創性を生かしたアパレル・ファッションやアクセサリーなどのアイテムをネットショップ・セレクトショップで販売したい、あるいはまだ形にはなっていないけれど、これから自分しか作り出せない商品を創り上げて購入してもらいたいなど、独自商品を国内や世界中で販売するには、ネットショップが適しています
また、実店舗で販売しているメーカー品、ナショナルブランドを販売して、実店舗売り上げの補完を行いたいという理由からネットショップを始める個人・企業も増加しています。

ネットショップの要は【商品】

このように、どのような商品をネットショップで販売したいか、どのような商品がネットユーザーにフィットするかを熟考し、販売する商品について徹底的に考えることが、ネットショップを始めるための第一歩です。

ネット通販で王道のルールである「BEAFの法則」がありますので、これらに照らし合わせて商品について検討を進めてください。

スクロールできます
項目具体的な内容例
Benefit(ユーザーの購入メリット)商品利用風景、魅力ある写真を通して商品メリットと
得られる将来像を表現
Evidence(論拠・事実)販売・マスコミ掲載実績、比較サイトの評価、
レビューなど「お客様の声」掲載
Advantage(利点・優位性)商品の品質や価格、機能、ブランド力など
競合優位性を掲載
Feature(商品の特徴)色やサイズ、コンセプト、原材料、素材、成分など
商品について解説

BEAFの法則」は、商品開発・戦略の検討にも、そして実際のサイト制作にも活用できます。BEAFの順でサイトやランディングページ(LP)を作成しているECサイトも数多くあり、商品の特徴や魅力がユーザーにとっても理解しやすい構成になり、伝わる可能性が高くなります。

個人でもできる商品仕入れ

オリジナル商品を製作・販売するのではなく、多くのジャンルから選んで商品を仕入れたいときは、インターネット経由で仕入れができるインターネット卸の活用が便利です。法人はもちろん、個人でも仕入れができるサービスも増えていますので詳しくは下記ページで解説しています。

コンセプトでネットショップの世界観を表現

さらに重要なこととして、その商品を販売するショップの個性を引き立たせるコンセプト」、「アイデンティティも欠かせません。

例えば、“子供のころから雑貨が好きで、アルバイトをしながら貯金をしてやっとの思いで独立した地方の女性アーティストが運営する、手作りアクセサリーショップ”や、“日本の伝統工芸品を家族で作ることができるグッズとして未完成で販売し、家族で組み立てたり色を塗って完成させる「伝統工芸を創る文化」を販売する雑貨店”など、思わず応援したくなる個性・コンセプト・アイデンティティに、購入者はファンとなりさらには、長期にわたって購入していただけるコアユーザーになっていただけます。

ネットショップの世界観を表現

主なコンセプトには以下のものがあります。

ブランドコンセプト・ショップコンセプト

提供する商品やサービスの価値を定義し、顧客に分かりやすく伝える

商品コンセプト・製品コンセプト

どのようなユーザーに、どのようなベネフィットがあり、どんな技術で提供するのか

販売コンセプト・マーケティングコンセプト

売り手視点でいかに販売していくか(販売コンセプト)、ユーザー視点でいかに伝えていくか(マーケティングコンセプト)を明確に

そして「コンセプト」を表現する場としてネットショップがあります。
上記のコンセプトがはっきりすると、サイトのデザインコンセプトも固まり、文章・キャッチコピーなど訴求すべき対象が見える化できることで効果も高まります。

ネットショップの構築と、顧客の獲得・長期的なファン化のためにも、この段階で各種「コンセプト」については、様々な角度からしっかりと考え抜いてください。

映画やアニメでも「世界観」という言葉はよく使われます。難しく言えば「世界全体について意味づける統一的な見方や考え方のことで人生観を包含するもの」と定義されています。ただ堅い表現では分かりにくいので平たく言いますと「自分が表現したい、見てほしい世界を共有する」ことでもあり、商品はもちろんサイト全体やテキスト・画像などで「世界観」を伝えることは、オンリーワンの存在になりたいネットショップにはとても重要なキーワードです。

作る・開くサービスを選ぶ

ネットショップを作る・開くサービスを選ぶ

商品やコンセプトについて考えが固まったら、ネットショップを立ち上げるためのサービス・ツールを検討しましょう。
ネットショップで商品やサービスを売りたいとき、つまりネット通販を始めたい時はおおまかに3つの方法があります。

  1. 上級者向け:大手ショッピングモールに入る
  2. 初級・中級者向け:ショッピングカートを自社サイトに加える
  3. 初級・中級者向けネットショップ作成サービスを利用する

3つの方法うち、ある程度の売り上げが立ち、ネットショップの運営に精通している方が出店する「1:大手ショッピングモールに入る」と、自分のサイトでネットショップを開店する「」と分ける、2つの方法があるという考え方もあります。

これからネットショップを立ち上げる方は「1:大手ショッピングモールに入る」はコストがかかり、ハードルが高いので、自分のサイトでネットショップを開店する「2・3」とに絞って検討をすすめることが望ましいでしょう。

1: 上級者向け:大手ショッピングモール

大手ショッピングモールに入る

ネットショップといえばまず最初に頭に浮かぶのが、圧倒的な知名度と集客力、そしてポイントやディスカウントセールといった様々な販売施策を行っている楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonといった巨大ショッピングモールでしょう。

■ 3つのショッピングモールの月額シミュレーションやコストなどが下記で確認できます。

楽天市場月額費用シミュレーション
Yahoo!ショッピング料金・費用について・月額費用シミュレーション
アマゾン料金プラン

出店すればある程度の集客が見込めますし、有名大手モールに出店すること自体でブランド価値を上げることに役立つ場合もあります。

しかし大きな問題点は、出店や販促コストがかかり利益を圧迫すること、そして大手ショッピングモールに出店している競合店は、ネットショップ・ECビジネスで成功している、いわゆる“プロフェッショナル”で、これらの競合店との競争となり、検索エンジンでの表示ノウハウやレビュー数、顧客サポートや商品開発・情報収集など同じ土俵で戦って勝たなければその市場内ですら負け組になるという2点です。

大手ショッピングモール内は競争がとても激しく、1年で30%程度も退店するという厳しい現実もあるといいます。最初は、独自のネットショップで運営技術を磨き顧客を増やして、次のステージで大手ショッピングモールに出店するという流れで進んでいけば、ネットビジネスの適正な成長が期待できます。

大手ショッピングモール内の競争を勝ち抜くためには、専門のECコンサルティング企業に依頼するという方法もあります。下記のような企業からノウハウを吸収して【時間を買う】のも戦術として有効でしょう。

ジャグー株式会社は、楽天市場を中心にEC事業者の売上拡大と運営効率化を支援するコンサルティング企業です。元楽天市場のECコンサルタントが率いるプロフェッショナルチームが、販売戦略の策定から運営代行、広告運用、顧客分析まで一貫したサポートを提供します。

ジャグー株式会社

大手ショッピングモールのさらに上位には、ネットショップに必要な機能が盛り込まれたECパッケージをサーバーにインストールして利用する、またフルスクラッチ開発すれば、カスタマイズされたニーズに合うネットショップになります。デメリットは、初期・運用費用が数十万~1千万単位になりますので、ネットショップの規模が拡大し必要になってから検討すればよいでしょう。

2&3: ネットショップ作成サービス利用

大手ショッピングモールに入らず、独立したネットショップをスタートするには2つの方法があります。

1つは、すでに自分のホームページを持っていて、そのページにショッピングカートを付け加えることで、自社サイトをネットショップ化することができます。
もう1つは、「ネットショプ作成サービス」のプラットフォームに、ネットショップを構築し立ち上げる方法です。

上記のサービスを提供している企業やサービスは数が多く、月額無料~数万円という費用面、機能面の違いもあります。

ネットショップ作成サービス コストと技術の相関図

月額コストと必要な技術の相関関係図

ネットショップ作成サービス・ECカートを比較検討

国内や海外発のネットショップ作成サービスが年々増え続け、やや分かりにくくなっていますので、各サービスのメリットやデメリット、違いを分かりやすく比較するページを作成しています。

物流も開始当初から考えておく

物流対策を考えておく

ネットショップ作成サービスを決めてスタートし順調に成長するにつれ、手間のかかる商品配送や増える在庫の管理・効率よく配送を行うための倉庫・拠点の設置など様々な物流の課題も出てきます。
時には「配送をさばききれない」「倉庫内や配送中に梱包がぐしゃぐしゃに」などトラブルが起きる可能性も否定できません。

物流トラブル

さらには、ネットショップの規模が大きくなった場合、自前で物流を行うか、アウトソースするか、想定しておきながらネットショップを日々運営することも重要です。
物流倉庫移転・移管では代表的なEC物流代行サービスとして「オープンロジ」のような形態のサービスもありますので、将来を見据えこのような外注先があることも知っておきましょう。

先を見据えて

ネットショップを始める時には少し早いかも、と思われるかもしれませんが、売り上げが上がるにつれて、人手や時間・費用がかかるのが物流です。コストダウンを目指す守りの物流から、データを活用した在庫の最適化など他社と差別化を図りながら顧客にメリットを提供する攻めの物流戦略を取ることが、これからは欠かせないポイントになっていくでしょう。

誰のためか、もう一度考えてみる

商品・コンセプト・サービス&ツールを考え選べば、ネットショップはすぐにでもオープンすることができます。
ここで、もう一度立ち止まって“誰のための”ネットショップかを考えてみましょう。

長年の自分の夢を実現できるネットショップ、実店舗の売り上げを助ける存在になるネットショップなど、自分や自社のためのネットショップではありますが、顧客に喜んで購入していただけるネットショップ、同じ店から違う商品を購入し続けてもらえるネットショップ、つまりユーザー視点のネットショップでなければ、長期間運営・存続させることはできません。

自らの夢を形にしつつ、なおかつユーザーの求めるものを吸い上げ形にして喜んでいただく、この難しい方程式を自然に解け実現できる方は問題ありませんが、多くのネットショップではスタートした後にぶつかる難問でもあります。
絶対に曲げない自分の価値観や世界観などの“背骨”はしっかり持ちつつ、顧客の求めるものを商品に取り入れていく柔軟さ、意見を聞き続ける耳をもって、市場とともに変わることはできるネットショップは、淘汰の波に飲み込まれず成長しながら存続し続ける可能性が高いでしょう。

自らの夢を形にしつつ、なおかつユーザーの求めるものを吸い上げ形にして喜んでいただく、この難しい方程式を自然に解け実現できる方は問題ありませんが、多くのネットショップではスタートした後にぶつかる難問でもあります。
絶対に曲げない自分の価値観や世界観などの“背骨”はしっかり持ちつつ、顧客の求めるものを商品に取り入れていく柔軟さ、意見を聞き続ける耳をもって、市場とともに変わることはできるネットショップは、淘汰の波に飲み込まれず成長しながら存続し続ける可能性が高いでしょう。

誰のためのネットショップか、もう一度考えてみる

「実店舗で売れている商品だからネットに出すだけで売れる」と考えずに、ネットに適した売り方、商品で勝負し続ける・行き止まりと気づけば柔軟に変更するという考えを持ち続けましょう。

まとめ

ここがポイント

  • 何よりも「商品」が大事、次に「コンセプト」や「世界観」でオンリーワンの存在に
  • 自分や自社に適しているネットショップ作成サービス・ECカートを検証しましょう
  • 商品戦略に加えて、物流などバックヤードも含め体系的にネットショップを考えましょう
  • 顧客の求めていることと自分が実現したいことの掛け合わせを行い、存続するネットショップに

ネットショップを始めるにあたり、心構え編では事前に知っておきたいことを解説し、このサービス・ツール選択編では、商品やコンセプトを考えること、その内容に適したネットショップ作成サービス・ECカードを選ぶ要点を説明しました。

ネットショップを長く続けるために

ネットショップでの成功に向けて

ネットショップは、ネット上に無数といっていいほど数多くありますので、その中からお客様に選ばれて、購入し続けてもらえるネットショップになるには、事前にしっかり考え込んだコンセプトとストーリー性、そしてネットショップや商品に懸ける熱い思いや情熱など、顧客に刺さる心理面の個性化が極めて重要です。
さらに心の面のみならず、現実も見てコストをしっかり頭にいれて長期間運用できる資金計画を立てる必要があります。

初期段階では無料や低コストのネットショップ作成サービスから始め、成長とともに機能が充実したネットショップ作成サービス・ショッピングカートに乗り換えていく戦略が、“ユーザーとの共栄の道”を進んでいく成功への道筋の一つになるでしょう。

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